右手でずれた眼鏡を掛けなおして巨人を睨んだ、そしてアデルの合図が二人の耳に届いく。アデルは高く飛び上がるとヤミガラスを抜刀し剣先から生じる摩擦熱を何十倍にも膨れ上がらせ巨大な炎を作り出した、それと同時にギズーが引き金を引いて法術弾を発射さえる。巨人の足元に着弾すると弾丸ははじけ飛び中に格納された法術が一気に暴走する。風だ。巨大な竜巻が巻き起こり巨人の体を飲み込んでいく。そこにアデルが作り出した巨大な炎が吸い込まれて行き炎と風は互いに共存するように激しく魅かれあい、巨大な火柱を作り出した。

「「「トライ・ディザスター」」」

 最後にガズルが城壁から巨人目掛けて飛ぶとその巨大な重力球を投げつける。巨人の体全体を包み込むほどの大きさは無かったが巻き起こる火柱と共に巨人の体は重力球に吸い込まれて行った。彼らが行った攻撃は三つ、一つはアデルによる炎法術による攻撃、次にギズーによる風法術弾による竜巻攻撃、そしてガズルの重力球による攻撃。それらは一つ一つの攻撃力としてではなく、三つの複合攻撃による連携攻撃である。
 思いついたのはアデルだ、以前の戦いで一度だけ成功したこの連携攻撃。耐法術障壁(アンチ・マジックシールド)を使える者には然程効果が無いが、今回の相手は巨大な金属を纏った巨人である。灼熱の業火に焼かれればその分厚い装甲も溶けるだろうと考えたのだ。

「今だ! 撃て撃て撃て撃てぇ!」