メルが亡くなった日、この山のいただきに彼女の遺体を埋葬した。メリアタウンを一望できるこの場所でレイとメルは出会った。山並みは萌え、木々の隙間から木漏れ日が漏れる。鳴いてる蝉の声に混じって木々が風に揺られてざわめいている。そんな日だった。
「おーい、そっちはどうだ?」
アデルが木に登って双眼鏡で帝国南支部の様子を見ていたガズルに問いかけた。ガズルは双眼鏡を目から話すと首を横に振って下に居るアデルに向けて声を発する。
「駄目だ、今日もそれらしい動きは無い」
再び双眼鏡を目にあてがい遠くに見える支部の観察へと戻った。うだる様な暑さの中この監視作業も楽とは言い難い、噴き出る汗は容赦なく彼らの衣服を濡らしていた。
「そういえば冷風機はどうしたんだ?」
ガズルはそのままの体制で下のアデルに問う、だが彼もまたガズルと同じように首を横に振った後、振り返り頂上付近を指さした。
「いつもん場所」
「あー……分かった、毎日ご苦労なこったな。気持ちは分からんでもないんだけどさ」
冷風機と呼ばれたのはおそらくレイの事だろう、この二人は氷雪剣聖結界使用時にレイから流れる冷気で暑さを凌ごうとしていたのだ。それ故冷風機である、そこにまた一人山を登ってくる少年が居る。ギズーだ。
「冬場は大雪で今度は記録を更新し続ける暑さの夏ね、どうなってんだよ今年は」
大汗かきながら緩やかな勾配を登ってきたギズー、両手には海上商業組合から支給される食べ物と飲み物が入った手提げ袋を持っていた。
彼の言う通り現在進行形で最高気温は更新されている、去年までの最高気温を五度以上を記録し小さなダムが干上がるといった事態にまで発展していた。海上商業組合の気象学者達も今後の動向が読めず、さらに上昇するのか、はたまた今が異常なのかそれさえ分からずにいた。
「おーい、そっちはどうだ?」
アデルが木に登って双眼鏡で帝国南支部の様子を見ていたガズルに問いかけた。ガズルは双眼鏡を目から話すと首を横に振って下に居るアデルに向けて声を発する。
「駄目だ、今日もそれらしい動きは無い」
再び双眼鏡を目にあてがい遠くに見える支部の観察へと戻った。うだる様な暑さの中この監視作業も楽とは言い難い、噴き出る汗は容赦なく彼らの衣服を濡らしていた。
「そういえば冷風機はどうしたんだ?」
ガズルはそのままの体制で下のアデルに問う、だが彼もまたガズルと同じように首を横に振った後、振り返り頂上付近を指さした。
「いつもん場所」
「あー……分かった、毎日ご苦労なこったな。気持ちは分からんでもないんだけどさ」
冷風機と呼ばれたのはおそらくレイの事だろう、この二人は氷雪剣聖結界使用時にレイから流れる冷気で暑さを凌ごうとしていたのだ。それ故冷風機である、そこにまた一人山を登ってくる少年が居る。ギズーだ。
「冬場は大雪で今度は記録を更新し続ける暑さの夏ね、どうなってんだよ今年は」
大汗かきながら緩やかな勾配を登ってきたギズー、両手には海上商業組合から支給される食べ物と飲み物が入った手提げ袋を持っていた。
彼の言う通り現在進行形で最高気温は更新されている、去年までの最高気温を五度以上を記録し小さなダムが干上がるといった事態にまで発展していた。海上商業組合の気象学者達も今後の動向が読めず、さらに上昇するのか、はたまた今が異常なのかそれさえ分からずにいた。