神苑の瑠璃を巡った死闘から半年、レイ達は全世界に向けて帝国が犯した罪を海上商業組合(ギルド)を通じて発信した。明るみになった帝国に対する他国の避難が多く帝国は徐々に衰退をはじめる。不満を募らせていた一般市民も声を上げて帝国糾弾の輪はそれまで以上に広がりを見せてきた。

 しかし、巨大になりすぎた帝国からしてみれば反乱が大きくなっただけにすぎず、実質的なダメージは然程与えられていない。結果レイ達が拡散させた情報は内戦を悪化させただけだった。
 いや、いつかはこうなるだろうと海上商業組合(ギルド)は予想をしていた。それが早いか遅いかの話である。
 内戦が始まったのは今から二か月ほど前に遡る、南部都市のメリアタウンでは各地から集まる反帝国思考を持つ旅人の重要拠点として生まれ変わっていた。巨大な城壁を作り市民をはじめ反乱を強める人々を守る巨大な要塞都市へと変わったメリアタウン、現在一番大きな内戦を繰り広げているのがこの場所である。
 FOS軍の加担もあり優位はメリアタウンにあった、彼らの力は一騎当千を誇る。帝国側にも実力者は何名も残っているがそれらの大半は彼らにとっては子供と戯れる程度にしかならず圧倒的であった。