私の使命は幻魔一族の監視、あの怪物が再びこの世界で悪い事をしないために監視する事。唐突にこんな事言っても分からないよね? 結論から言うね、まだあの大戦は決着が付いていないの。だから私が作られた、ううん。カルバレイセス様は初めから分かっていたのかも知れない、『サディケル様』達が幻魔を封印しても幻魔因子だけはこの世界に残されるって。幻魔因子ってのはあいつらの残留思念、全てを倒しつくしたと思ったんだけどそうじゃなかった。
私達はあの時失敗したの、幻魔を封印して安心しきってしまった。だから私はこの長い時の中で幻魔因子を監視し続けてきた。この時代にレイ君とアデル君がいた事にも驚いたけど、その理由を知るのはまだ早いかな。きっと君達は自分たちで気づいてくれると思うの、だから私からは言わない。
もう一度言います、幻魔は必ず蘇ります。その時レイ君、君達の力が必ず必要になります。だからその時まで生きて、生きて生き抜いてください。こんなこと言われても困っちゃうかな? でも知っておいてほしい、君達はこの世界の希望。カルバレイセス様の願いなのです、今は分からなくても構わない、記憶の片隅に覚えておいてくれればそれでいいです。きっとそのうち分かる時が来るからね。
ねぇレイ君、私は最後に本当の気持ちを伝えることが出来ましたか? それとも伝えられずに死んでしまいましたか? できれば……君がこの手紙を読むことなく、そして、私が君の隣でこれからも仲間として……ううん、彼女として一緒に笑って過ごしていられる日が来ると良いな。
そして、君のいるこの世界に――この世に平穏のあらんことを。
メルリス・ミリアレンスト”――