あの事件以来、帝国内部で慌ただしい編成があったとか。

 先生の元に尋ねてくるギルドメンバーからそんな噂話を聞いた。当然と言えば当然かもしれない、あれほどの力を持った兵士が二人も亡くなったのだ。あれ以上の存在がまだ帝国に居るのか分からないけどこれでしばらくは大人しくなるだろうと先生が言っていた。
 それを聞いて一安心していた僕達は半年ほど先生の元で修業を続けていた。あのお医者さんも中央大陸へと渡ってきて今じゃメリアタウンを拠点に僕達の事を広めているらしい。メンバーも集まってきたので近いうちにこちらへ戻ってきてほしいと連絡が先日あったばかりだ。あのお医者さんと会うのも久しぶりだ。

 幻魔に関する情報は予想以上に集まってきた、ギルドから提供されるその内容はどれも信憑性がある物ばかり。流石と言うべきだ。僕達だけじゃ知りえない情報を大量に持ち込んできてくれた、それに加えて先生の家に何名か連絡係を常駐させることにもなっていた。
 彼らの使う通信器具には本当に驚かされる。遠くに居るメンバーとのコンタクトも一瞬で取れる優れものだ。僕達が先生から譲り受けたあの器具より遥かに便利なものだった。現在分かっていることは古の大戦は本当にあった物、そしてあの瑠璃こそ復活に必要な術具の一つである事。レイヴンが言っていたことを思い出してほしい。