咄嗟に玄関へと走り出した、ドアを開けるとそこには降り続いていた雪がぴたりと止んでいる。思わず空を見上げると急速に雲が散っていくのが見えた。アリスは思わず驚愕した、切れる雲の間から星の輝きが覗き見える。その雲は一定の方向へすべてが流れていた。それはレイ達が向かった場所の方角だった。
「何が起きてるの?」
つられて二人も外へ出る、同じように空を見上げて一定方向に動く雲の流れを見た。風も止んで一見穏やかな冬の夜がそこに訪れたのかと誤解するほどに静まり返っていた。不気味に静寂だけが冬の夜を支配している。
「ほんと不気味、こんなの見たことない」
プリムラも同様にそう答えた、気候が安定しない東大陸出身の彼女ですらこんな異常気象は生まれてこの方見た事が無かった。そんな外の景色を見ていた三人の中に一人だけ芳しくない表情をする人がいる。メルだった。雲の流れを見た彼女は一歩後ずさりをする。それに気づいたアリスはゆっくりとドアを閉めてこういった。
「ごめんねメルちゃん、寒かったよね。今日はもう遅いし寝ようか」
「アリスさん……はい、わかりました」
両手を胸のところでギュッと握って俯きながら答えた。その日彼女たちはいつもより早くそれぞれの自室へと戻り就寝に付く。だがアリスは気にかけていた。先程見せたメルの表情に違和感を覚えていた。あまりの異常気象に内心怯えていたのか、それとも何か別の胸騒ぎがしたのか。それが気になっていた。確かにアリスの中にも胸騒ぎに近い何かを感じている。それはきっと彼等五人の事だろう、果たして無事に帰ってくることが出来るのか。そんな事ばかりここ数日ずっと考えていたことは確かだ、だがそれ以上にメルのあの表情が気になっていた。
「何が起きてるの?」
つられて二人も外へ出る、同じように空を見上げて一定方向に動く雲の流れを見た。風も止んで一見穏やかな冬の夜がそこに訪れたのかと誤解するほどに静まり返っていた。不気味に静寂だけが冬の夜を支配している。
「ほんと不気味、こんなの見たことない」
プリムラも同様にそう答えた、気候が安定しない東大陸出身の彼女ですらこんな異常気象は生まれてこの方見た事が無かった。そんな外の景色を見ていた三人の中に一人だけ芳しくない表情をする人がいる。メルだった。雲の流れを見た彼女は一歩後ずさりをする。それに気づいたアリスはゆっくりとドアを閉めてこういった。
「ごめんねメルちゃん、寒かったよね。今日はもう遅いし寝ようか」
「アリスさん……はい、わかりました」
両手を胸のところでギュッと握って俯きながら答えた。その日彼女たちはいつもより早くそれぞれの自室へと戻り就寝に付く。だがアリスは気にかけていた。先程見せたメルの表情に違和感を覚えていた。あまりの異常気象に内心怯えていたのか、それとも何か別の胸騒ぎがしたのか。それが気になっていた。確かにアリスの中にも胸騒ぎに近い何かを感じている。それはきっと彼等五人の事だろう、果たして無事に帰ってくることが出来るのか。そんな事ばかりここ数日ずっと考えていたことは確かだ、だがそれ以上にメルのあの表情が気になっていた。