変わってレイとギズーに向かって飛び込んだシトラは飛びながらも法術を唱えている。左手に構える杖が見る見るうちに凍り付き槍へと形状を変えた。その速度のままレイとギズー二人に攻撃を仕掛ける。レイのすぐ目の前に落下すると足元の血だまりが噴き出す。レイが左手でそれをガードすると突如目の前に氷の槍が出現した。血だまりを目くらましに使いその隙に自分の獲物を突き出していた。
レイの左腕に突き刺さるかどうかという処で急に槍の進路方向が左にずれる。レイの顔面スレスレを氷の槍が通過した。咄嗟にギズーがシトラの槍をシフトパーソルで撃ち抜いたのだ。その判断、命中、速度共に一流と言える実力にまでこの数日間で成長していた。レイはバク転をしてシトラとの距離を取ると霊剣を頭上に振りかぶる。そのままシトラ目掛けて振り下ろすが氷の槍によって斬撃を受け止められてしまった。
シトラは攻撃を受け止めた瞬間体を捻って体ごと槍を旋回させる。対象物が無くなった霊剣はそのまま地面に振り下ろされてバランスを崩す。そこに氷の槍が横一杯に振りかぶられてレイの体を真っ二つにしようと飛んでくる。
だがその刃も途中で止まってしまった。ギズーが左手に構えるロングソードを逆手に持ち替えてレイと氷の刃の間に割って入る。無理な体制のまま右手のシフトパーソルを背中からシトラに向けて数発の弾丸を発射する。その一発が彼女の右頬を掠めていった。
「中々いいコンビネーションじゃない、でもこれはどうかしら!?」