レイヴンは炎帝剣聖結界を施している、そのスピード火力共に素のアデルでは到底かなうことは出来ない。しかし対抗策は練っていた。アデルの元へと飛び込んできたレイヴンの刀がアデルの首を跳ねようと襲い掛かる、それをアデルは二本の剣で受け流す、するとその後ろに居たガズルが即座に重力球を作り出すとレイヴンの頭上へと放り投げる。受け流したアデルも同時に二本の剣をそれぞれ逆手に持ち替えて横一線に剣を叩きこんだ。重力球の影響を受けているレイヴンは一瞬だけ体に通常の二倍の重力を感じる、そう二人の思惑は攻撃は避けるとしてそのスピードだけでも殺せないかと考えたのだ。結果二倍の重力を受けたレイヴンの動きが一瞬だけ鈍る。だがレイヴンの判断力は速かった。身動きを少しでも封じられてしまったのであれば目の前に迫りくるアデルの攻撃を防御することは不可能、それならば。
「避ければいいだけの話ですよ」
「避ければいいだけの話ですよ」