思わずレイの口から飛び出した言葉をシトラは蔑んだ目で見る。その表情はまるで汚いものを見るかのような目をしていた。右手で顔を覆って俯いた後髪の毛を掻き揚げてもう一度レイ達をにらむ。

「何で? そうね、例えるのであれば――」

 レイブンが左手に持つ瑠璃を宙に放る、それと同時にシトラが瞬間的に詠唱を初めて封印法術を唱え始める。レイ達はそれに迅速に反応してそれぞれが距離を取る。

「幻魔様復活の為かしらね!」

 瑠璃が一瞬で凍り付いた。天井と瑠璃が氷で繋がってぶら下がるように凍り付いた。そして同時にレイヴンとシトラが動いた。レイヴンはアデルとガズルへと、シトラはレイとギズーに向かって同時に突進する。四人はそれを見逃さなかった。互いに距離を取っていた彼等としては一人ずつ相手にできる絶好のチャンスでもあった。だが相手はカルナックが最初に育て上げた弟子の中でも最強の分類に入る剣帝序列筆頭と結界法術を使わせたら右に出るものが居ないシトラだ。少しでも油断をすればそれは死につながる。