即答だった、何もためらわずにきっぱりと答えた。

「あんたが金を貯めている理由は何の為だ、この町に移住でもするつもりなのか?」
「それを聞いてどうするつもりかしら?」
「別に、これと言って特にないが」
「……用心棒よ」
「はぁ?」「はい?」

 アデルとガズルはお互い拍子抜けしたような声を出す、余りにも解りやすく馬鹿みたいな回答に二人は急に笑い出した。

「何がおかしいの!」
「いや別に、用心棒だって聞いたからついな」
「全くだ、用心棒を雇う? 馬鹿馬鹿しい」

 二人はさらに笑い転げる、ついに頭に来たアリスはアデルに向かって銃口を向け引き金を引いた、だがアデルはその動作を見逃さなかった、とっさに腰に付けていた剣を取り出すと引き金が引かれる前に自分の目の前に取り出すと弾丸を斜め上に弾いた。

「っ!」
「どうだ、一つ商談と行かないか? 悪い話じゃないと思うんだけどな?」
「……何よ」
「簡単だ、俺達をかくまってくれ、そうすれば金無しで俺達があんたの護衛を引き受けてやろう。どうだ? 悪い話じゃないだろ?」
「あんた達を信用しろって言うの?」
「そう言ってるつもり何だろうな、アデルの口もさび付いたもんだ」

 ガズルが眼鏡を取り拭いた、そしてまた付けた。

「安心しな、俺達は義賊だ。誇りに掛けて嘘はつかねぇよ」
「あなた達が私を信用するのは勝手だから構わないけど私が裏切ったらどうするの? 私は帝国にあなた達を売るかも知れないわよ?」
「それは無いだろう?」
「なぜ?」
「もしもあんたが帝国に俺達を売るならもうとっくにしてるさね」

 お互いにらみ合ったまま暫く沈黙が続いた、緊張が走る三人の間にはまだ壁が残っている。だがその壁を壊すようにアリスが動く、拳銃を下ろしてクスクスと笑い始めた。

「ふふふ、貴方なかなか面白い事を言うわね」
「そうか? 俺は冗談が苦手なんだけどな」

 アデルの言葉がさらに笑いを誘う、何故笑われているのかが全く把握出来ていないアデルは少々ムッとした表情を見せる。

「わかった、あなた達を信じましょう」
「そう来なくっちゃ、俺達もいい加減ヤロー共の旅は飽き飽きしてる所だ」
「ヤロー共?」

 アリスが首をかしげる、ヤロー共と言うには物足りない人数だったからである。

「実は俺達さっき爆発した船に乗ってた人間なんだけどよ、ここにたどり着く数日前に仲間とはぐれちまってな。まずはそいつらを探しに行かなきゃ行けない所なんだ。まぁ……あいつの事だから心配はないと思うが……」

 ガズルが話し終える少し手前で言葉を遮るようにしてアリスが口を開く。

「あなた達あの船の搭乗者なの?」
「そうだけど、何か問題でも?」
「大ありよ、よくレイヴン相手して生き延びられたわね」

 アリスが驚きを表情にそのまま出して驚いている、その顔を見て二人は苦い顔をしながら事情を説明し始めた。