レイが叫ぶ、しかしカルナックから返答はなかった。それでも彼らは先に進むしかない、ここにいれば必ずカルナックの足手まといになるだろうと考えたからだ。彼等四人は最終階層へとつながる扉を開けてその先に進む。その間にもエレヴァファルとカルナックの激しい攻防は続いていた。

「私は会いたくなかったですよ、貴方なんか!」
「俺も本当は会いたくなかったんだけどな、どうしても会いたいって言う奴がいてよ!」

 激しい攻防の末一度二人が距離を取る、カルナックは納刀し抜刀の体制へと移る。エレヴァファルは空高く飛び上がりカルナック目がけて斧を振り下ろす。二人の刃が再び重なりあたり一面に衝撃波が飛び散る。

「十五年前、お前に切り飛ばされた俺の右腕がなっ!」

 巨体から繰り出された振り下ろされる斬撃はカルナックにとってもすさまじい威力となって放たれる。重く強烈な一撃が彼の体を軋ませる。カルナックの足元が窪み体ごと沈みそうになる。

「相変わらず乱暴な技ですね」
「だろう? お前を殺す日を夢見て鍛えぬいてきたこの力、存分に味わうがいい!」

 空中に浮いているエレヴァファルが体を捻りカルナックへと蹴りを放つ、その巨体な体躯のどこにそれほど俊敏な動きが出来るのか。左腕でガードするがその衝撃は凄まじく壁へと吹き飛ばされてしまう。だが吹き飛ばされながらも冷静に納刀すると壁を蹴り再びエレヴァファルの元へと飛ぶ。

「今度はその左腕も跳ね飛ばして差し上げましょう!」

 高速で接近するカルナックに対し左腕を横に伸ばすエレヴァファル、切り飛ばすと宣言された左腕をだ。ニヤリと笑いながら。

「やってみな!」