「おめぇら先に行け、俺がこいつら始末してやる」
「それは無いですよ隊長、彼は私の獲物だと言ったじゃないですか」
「うるせぇ、たまには部下においしい役目持たせてやりてぇって上官の配慮だ。その代りと言っちゃぁ何だがこいつらは貰う」

 大男が腰にぶら下げていた巨大な斧を取り出してレイヴン達を先に行かせた。苦笑いをしながらも上官の命令とし扉の奥へと進む。それにシトラが続く。

「待てぇ!」

 アデルが叫ぶが扉は閉まってしまった。そして大男が両手で巨大な斧を振り上げて地面に向けて振り下ろす。すると叩きつけられた地面が割れて衝撃波と共に地面を一直線に破壊する。五人はそれを左右に避けるとそれぞれが大男に向かって攻撃を仕掛ける。カルナックは後方で四人のアシストをするべく法術を練る。

「どけぇ!」

 最初にアデルが飛び出した、グルブエレスとツインシグナルをそれぞれ振りかぶり斬撃を叩きこむ。しかし巨大な斧でそれは防がれてしまう。力任せの攻撃をしてくるあたり速度は遅いと勘ぐったアデルはそれに驚く。俊敏な身のこなしでアデルの攻撃をさばき続ける。

「オラオラオラ、どうしたこんなもんか!?」

 巨大な斧を横一杯に振りかぶると今度は力一杯振り回してきた。咄嗟にアデルは両手の剣で受け止めるが余りの力に受け止めた傍から後方へと吹き飛ばされてしまう。
 それを見たレイがアデルを受け止めるが勢いのあまり一緒に吹き飛ばされてしまう。その二人を後ろで法術を練っていたカルナックが受け止める。

「てめぇ!」