「そうですね、そもそも法術というのは魔族に対抗するべく生まれたエーテルの活用方法なのです。前にも説明しましたが魔術は体内のエーテルをそのまま具現化させることにより強力な一撃を放つことが出来ますが人間にはそれが出来ません。なのでエーテルを起爆剤として周囲にあるエレメントを具現化させる事により魔術に対抗できるのです。ですが結界に関していえば両方ともエレメントを用いた技術であり、先駆者は魔族側です。それを研究して分かったのが魔法陣です。名前の由来は魔族の術者が体に施している刺青が発祥と言われています」

 淡々と説明した、途中でアデルはすでに頭の中がこんがらがっていて理解が出来ていないがレイはなるほどとうなずいていた。教養の違いなのかも知れないとカルナックはあきらめている。

 それから再び階段を下る事数分、ようやく彼らの目に光が映りだしてきた。しかし松明の様な明るさではない、まるで外にいるかのような明るさである。違和感を感じつつも彼らは下る速度を速めた。
 初めにレイが第三階層への入口へと到着する。続いてアデル、ガズルと続き残りの二人も階段を下り切った。彼らの目に飛び込んできたのは洞窟とは言えない空間がそこに存在した。まるで王宮の応接間に居るようなそんな光景だった、壁は大理石で埋め尽くされていて床は赤いカーペットのようなものがぎっしりと敷かれている。明かりは陽光石が大量に使われていている。これが明るさの原因だった。

「レイヴン!」

 その広間の反対側に奴らは居た。レイヴン、シトラ、そしてひと際大きな体格をした大男が一人。アデルの声にレイヴンが反応して振り向いた。

「一足遅かったですねアデル君」
「いやまだだ、ここでお前たちを仕留めて瑠璃も破壊する!」

 その言葉にレイ達は各々の武器を取り出しレイヴンたちの元へと走り出した。だがシトラが最後のロジックを解除し扉が開いてしまう。