微笑ましい空間が一瞬で凍り付いた。背筋が凍るほどの寒気が辺り一面に充満する、咄嗟にカルナックが臨戦態勢へと移るが時すでに遅し。一人を除いてその場にいた全員の身動きが封じられた。法術による捕縛陣と精神寒波による二重の結界がリビングに張られた。

「楽しい楽しい時間はここまで」

 声の正体はシトラだった、氷雪剣聖結界(ヴォーパルインストール)を発動させてその場にいた全員を捕縛する。完全に気が緩んでいたカルナックはその結界に対して無力であった。破ることが出来ない、焦りが徐々に顔に現れ始めた。

「何をしてるのですかシトラ君」
「御免なさいね先生、時間がきちゃったのよ」
「時間?」

 強かに笑うシトラ、ゆっくりと右手を水平に上げて鋼鉄の杖を取り出す。その杖に霜が付き始め一瞬で凍り付いた。パキパキと音を立てながら槍の姿に変化させるとレイに矛先を向ける。

「計画が狂っちゃったのよ、先生に同行されたら確実に私達負けちゃうじゃない? だからその前に今ここでみんなを始末しておこうと思って」

「あなた、自分で何を言ってるのか分かっているのですか!?」