それぞれに衣装が行き渡るとその場で着替え始めた、アデルのストールは何周か首に巻いた後左肩から背中に回して靡かせる。太もも位まで垂れている。普段つけない物を身に着けているせいか違和感を隠し切れないが鏡を見て自分の姿に驚いた。あの素っ気ない真っ黒なエルメアに赤いストールが何とも言えないアクセントとして存在感をアピールする。最後にガズルが今まで来ていたパーカーを脱いで渡された白いパーカーを着る。ズボンを履き替え様としたが流石に女性人の前で着替えるのが恥ずかしいのだろう。一度衣類を抱きかかえて部屋へと戻っていった。出てきた時今まで無頓着に来ていた服装から劇的な代り映えを見せる。パーカーのフードをトレンチコートの外に出している、スラックスも身の丈丁度だった。しかしどうにも頭のニット帽が気になる。
「ちょっと待ってねガズル君、確かワセリンが此処に――あった」
「ちょっと待ってねガズル君、確かワセリンが此処に――あった」