骨董品だった、それも綺麗な状態で保管されている貴重な品。ガンマニアの中では喉から手が出る程ほしいだろうそのオリジナル、ギルドから譲り受けたとあるが……この男横の繋がりが思った以上に深すぎる。

「では、私からは以上です。後はビュートが戻ってきてからのお楽しみということで」
「ビュート君? そういえば今朝から姿が見えませんでしたけどどうしたのですか?」

 女性陣も疑問に抱いていたことをレイが口に出した、そういえばと他の三人も続けるがカルナックは首を横に振る。

「彼の提案なのです、本日中には戻りますのでそれまで待ってあげてください。出発は明朝です。それまで各自英気を養う様に」

 此処でふと疑問が彼らの頭を過った、明朝に出発? 今日中にビュートが戻ってくるのであればその後すぐにでも出発してもいいのではないか。そんなことを彼らが考えている間にカルナックが荷物をまとめ始めた。

「先生も一緒に行かれるのですか?」
「えぇ、私もご一緒しますよ。万が一のことを考えてご一緒した方が何かと都合が良いと思いますので」

 正直驚いた、現役を引退して以降表立った行動に出る事の無かったカルナックがまさか一緒に来てくれるという。これ程までに心強いことはない、現存する剣士のトップに立つ彼が一緒に来てくれれば戦力差は歴然である。

「今度こそ瑠璃を破壊して未来永劫この世から消し去ります、それに今の君達ではレイヴンを相手にするのは危険です。私ならばある程度有利に戦えますので安心してください」

 そう言って荷造りを続けた、ビュートが帰ってきたのはそれから五時間後の事。それまで彼らはそれぞれ用意された部屋でゆっくりと体を休めた。