もごもごと口の中にクッキーが入ったまましゃべりだしたのはアリスだった、普段からショタコンを覗けば完璧な女性というイメージがある彼女だが、今日ばかりは何年かぶりの女子会だからだろうか、かなり気が緩んでいる様子だ。男の目線が無いとはいえ物凄くくつろいで居る様に見える。それにプリムラがならう。

「確かにそうですね、私も話を聞いてびっくりしちゃいましたよ。過去の厄災の魂でしたっけ? それが何でレイ君の中に居たんでしょうね」

 テーブルに置かれたクッキーを二ついっぺんに取るとそのまま口の中へと入れた、もうすぐお昼だというのにそんなに食べて入るのだろうか? ソファーの上で胡坐をかきながら食べていた。

「不思議なこともあるのね本当」

 足を組み替えて同じようにクッキーに手を伸ばすシトラ、その中で唯一一人だけ背筋を伸ばしてきちんと座っているのはメルただ一人。気を張っているようにも見える。

「そういえばビュート君だっけ? ずっと姿が見えないけど」

 突然話題を切り替えた、言われてみれば朝からずっとビュートの姿を女性四人は見ていない。最初に気に掛けたのはシトラだった。

「確かに見てないわね、カルナックと一緒に何かやってるんじゃないかしら?」

 口の渇きをコーヒーで潤しながらアリスが言う、飲み干したコップをもって立ち上がると台所に置いてあるコーヒーの粉末を入れて新しくお湯を入れる。

「私全然あの子と喋ってないんだけど、あの子は強いのかしらアリスさん?」

 シトラがにやにやとしながらアリスへと尋ねる。入れなおしたコーヒーを片手にソファーに戻るとアリスはゆっくりと座った。