カルナックの弟子達三人はいずれもコレを習得している。レイヴンは炎帝剣聖結界(ヴォルカニックインストール)、シトラは氷雪剣聖結界(ヴォーパルインストール)、フィリップは雷光剣聖結界(ライジングインストール)である。ここで気になるのがカルナックが保有しているエレメントであるが、元々カルナックは特殊な性質を持ち合わせており全てのエレメントと対話ができる。それ故についた二つ名がエレメンタルマスターである。そこに剣術に最も優れている称号の剣聖を持ち合わせているため現存の人類最強と謳われる。全てのエレメントと対話出来る者は数百年に一度の割合で生まれてくると言われている、特殊な存在であることは間違いないのだが前例はある。

 話を戻そう、レイとアデルがそれぞれ剣聖結界を発動させたのを見てカルナックが頷く。だがアデルはやはりものの五秒程度でその効果が切れてしまった。片膝をついて息を切らすアデルを横目にレイはしっかりとその効果を継続刺せている。

「上出来です、アデルはもっとコントロールを身につけないといけませんね。そんな調子ではすぐにエーテルが空になりますよ」
「ば……場数を踏むさ」

 深呼吸をしながらゆっくりと立ち上がると一つため息を零した。カルナックは無情にもそれをニッコリと笑顔で見ていた。

「上等です、レイ君も有難う御座います」

 レイがゆっくりと剣聖結界を解くとアデルに肩を貸して担ぎ上げる。

「次にまだ教えていなかった抜刀術をお見せしますね」

 ゆっくりと三人は森の入り口まで歩き無事だった太い木を見つける。二人はカルナックの後ろに立ちその抜刀術をしかと記憶する。