だが答えはすぐに分かった、そこに漂うエレメントを感じたからだ。常に隣にいた親友の周りにまとわりついてたエレメントをその空間で感じた、つまりこの景色もレイの記憶の一部なのだろうか。はたまた彼が感じている不安や恐怖といった感情がこの空間を作り上げているのだろうか? それはまだわからない。

「何だ」

 相変わらず焼け焦げた匂いが鼻につく、それも動物が焼ける匂いも混じっている。彼自身炎を使った法術剣士であることから人が焼ける匂いには多少なり慣れている。しかしこれは――一人や二人ではなかった。複数の生きたものが物が焼ける匂いがする、それ以外にも血の匂いが混じっていることに気が付く。鼻が曲がりそうだった、これ程の匂いを彼自身経験したことがない。あまりの匂いに表情は歪み思わず後ずさりする。

「何だよこの場所」