レイの暴走から十分後、彼らはまだ外にいた。
 五人はすでにボロボロ、まさに死闘の後といった感じだった。氷漬けになったレイの正面に五人は立それぞれが口を開き始めた。

「それで、この後どうするんだ」

 最初に口を開いたのはアデルだった、他の四人に比べてまだ疲労は然程ないように見えるがそれは間違いである。彼こそ一番疲弊した張本人だった。咄嗟とはいえ炎帝剣聖結界(ヴォルカニックインストール)を使い、エーテルを消耗した上に逆光剣を立て続けに放ったのだからだ。

「不可解なところが多すぎてまだ何とも言えません。何故、レイ君には炎のエレメントの素質は全くないはずなのに炎帝剣聖結界(ヴォルカニックインストール)が使えたのか」

 カルナックが続けて言う、眼鏡を一度治してその疑問を口にした。それにシトラが続ける。

「確かに不思議ね、結果としてみれば暴走してたことは確かなんだけど」

 二人が顔を傾げる、あんな状況の後だというのに物凄く落ち着いて話をしている。それにガズルが大きなため息をした。

「二人ともよく冷静にいられるな、運よくアデルが起きてきて何とかなったというのに。こいつが起きてこなかったらあんたは自分の弟子の首を跳ねていたところなんだぞ剣聖」
「いや~、それを言われると何も言えませんね」

 ハッハッハと笑いながら笑顔でそう言った、それを見たギズーの顔が豹変した。まさに鬼のごとくである。

「何笑ってんだ、自分の弟子に手を掛ける処だったっていうのに!」
「ギズー君、私は最初に君達に忠告したはずです。覚悟はしておけと」

 カルナックは笑顔のまま続けた、だがその笑顔の奥にはどこか寂しそうな表情さえ見え隠れしている。