苦痛のあまり炎帝はその場に蹲ってしまった、それを見ているだけしかできないアデルは唇を嚙みしめる。だがここでアデルも同様の苦痛を受け始めた。

「なんだこれ」

 アデルの方は心臓が一度高鳴る、感じた事のない痛みに彼もまたその場に跪く。

「小僧、お主に止められるとは思っても居ないが――何とかして奴を止めろ」

 苦痛のあまり意識が飛びそうになる、それをギリギリのところで踏みとどまり辛うじて意識をつないでいる。炎帝の言葉はかすかにだが耳に届いていたが途切れ途切れに聞こえるような気がした。

「厄災が、蘇る――」

 そこで意識が途絶えた。