小さく心臓が波打つ、チクリとした痛みにレイが強く心臓を押さえる。そしてゆっくりと扉の元へと歩き出す。厄災はその後ろに続く。
「……」
扉の前に立つと左手でドアノブを握る、手の平に汗をかいているのがその時初めて分かった。とても嫌な予感がする、レイの感覚がそれを警告する。
「僕は……人間だ」
ドアノブをゆっくりと回し扉を開いた。
美しい草木が生える森の奥、そこには人と魔族が小さな集落を作っていた。
その集落には俗世間で生きていくことが困難な人間が集まる場所でもあった、犯罪を犯したり人を殺したり。そういう類ではなく孤児や戦争に巻き込まれ家々を失った者等。最初は人が集まって暮らしていた、そこにやってきたのが戦争から逃れてやってきた魔族の一団である。初めこそ対立したものの、周囲の危険生物を退治したり食料を提供するなどして魔族側から共存を求めてきた。代わりに人は衣類や住居の提供等でお互いのバランスを保つようになった。
もともと魔族とは西大陸に生息していた原住民である。人々がかつて西大陸を魔大陸と呼び恐れていた時代、余りあるエーテル量から恐れられていた。一度戦争が始まると人々は魔族に対して抵抗する事無く敗北していく、そんな時代に終止符を打ったのが帝国であった。
当時の帝国は人々の安全を守る為、いずれ脅威となる魔族に対して戦争を仕掛ける。人々は魔族の魔法に対し法術を開発した。魔族同様エーテルを用いるが法術は世界に散らばるエレメントを利用し、体内のエーテルを起爆剤として使う。一方魔法は術者その者のエーテルを具現化する。エーテル貯蔵量が生まれつき少ない人間にとって魔法は使うことができないが、自然界に存在するエレメントを利用する法術であれば魔法に抵抗することができた。
「……」
扉の前に立つと左手でドアノブを握る、手の平に汗をかいているのがその時初めて分かった。とても嫌な予感がする、レイの感覚がそれを警告する。
「僕は……人間だ」
ドアノブをゆっくりと回し扉を開いた。
美しい草木が生える森の奥、そこには人と魔族が小さな集落を作っていた。
その集落には俗世間で生きていくことが困難な人間が集まる場所でもあった、犯罪を犯したり人を殺したり。そういう類ではなく孤児や戦争に巻き込まれ家々を失った者等。最初は人が集まって暮らしていた、そこにやってきたのが戦争から逃れてやってきた魔族の一団である。初めこそ対立したものの、周囲の危険生物を退治したり食料を提供するなどして魔族側から共存を求めてきた。代わりに人は衣類や住居の提供等でお互いのバランスを保つようになった。
もともと魔族とは西大陸に生息していた原住民である。人々がかつて西大陸を魔大陸と呼び恐れていた時代、余りあるエーテル量から恐れられていた。一度戦争が始まると人々は魔族に対して抵抗する事無く敗北していく、そんな時代に終止符を打ったのが帝国であった。
当時の帝国は人々の安全を守る為、いずれ脅威となる魔族に対して戦争を仕掛ける。人々は魔族の魔法に対し法術を開発した。魔族同様エーテルを用いるが法術は世界に散らばるエレメントを利用し、体内のエーテルを起爆剤として使う。一方魔法は術者その者のエーテルを具現化する。エーテル貯蔵量が生まれつき少ない人間にとって魔法は使うことができないが、自然界に存在するエレメントを利用する法術であれば魔法に抵抗することができた。

