なぜ、そのことを……。


 決して知られてはいけない秘密。


 見破られることなどありえないと思っていた朱熹の能力を、曙光は見抜いていた。


 真っ青になりながら、声を発することさえできずにいる朱熹に、曙光は畳みかけるように話を続ける。


「心の声が聴こえる一族は、初代国王徽鄭の時代から代々皇族に仕えていた。

その特殊な能力上、他に知られては効果を発揮できぬゆえ、皇族以外知る者はいない。

しかし、三十年前にその一族は忽然と姿を消した。

その後どんなに探しても見つけることはできなかった」


 曙光の話す内容は朱熹にとって寝耳に水の話だった。


 ……皇族に仕えていた? そんなこと一度も聞いたことがなかった。


 驚いている様子の朱熹に、曙光は本論を告げる。