真一文字に結んだ唇。凛々しい眉毛からすっと伸びた高い鼻。


琥珀色の柔らかい髪質と精悍な面立ち。禁軍大将とも互角にわたり合える剣の腕前といわれているだけあって、漢服を着ていても鍛え抜かれた身体であることが分かる。


眉一つ動かぬ冷静な眼差しは、冷徹で厳格な印象を見る者に与える。


二十三歳という若さであるにも関わらず、とても落ち着いて見えるのは、気品と貫禄ある風格のせいだろう。


何を考えていらっしゃるのかさっぱり分からないわ。


人の心が〝分かりすぎてしまう〟朱熹にとって、曙光の感情に乏しい顔立ちは苦手だった。


曙光は表情を一切変えることなく口を開いた。


「李 朱熹、そなたのことは調べさせてもらった。

その為、長い時間牢に監禁しておくことになってしまいすまなかった」