しかし、曙光はそうは考えていないらしい。


女性にとって最高位の官職は皇后だから、当然朱熹は喜んでくれると思っていたが、想定外の反応に戸惑っているのが見て取れる。


 これって、喜ぶべきところ!?


 なぜ嬉しそうな顔をしないのだろうと不服そうな顔で朱熹を見る曙光。


 能面のように感情を表に出さない男だが、今の曙光の気持ちは雰囲気から十分察することができた。


 断っていいだろうか……。


いや、断れるはずがない。


でも、こんな勅命、おかしすぎる。


 言い知れぬ気まずい雰囲気が二人の間を流れていたのだった。