ぽかんとした様子で曙光を見上げる朱熹に、怪訝な眼差しで見つめ返す。


「余の妃は不服か? だがこれ以上の高位はない」


 曙光の言葉に、朱熹はハッとした。


 妃……、こうごう……皇后だわ!


「ええっ!」


 皇帝陛下の御前だというのに、思わずはしたない声が出た。


 けれど、恥ずかしいとか、申し訳ないとか、本来浮かばなければいけない感情が出てくる余裕などなかった。


 なにしろ、皇后である。


 皇帝の正妻。


それは、皇帝と結婚するという意味だ。


 最高の待遇を約束するとは言っていたが、結婚と待遇は全然意味が違ってくる。