「マリア様、今度開催されるお茶会の日程が決まりました」
「そう、どうもありがとう」
母は定期的にお茶会を開催する。
お茶会に参加するのは、母と仲の良いご夫人たち。私も一応は参加するが、ただその場にいるだけだ。
お茶会の内容はいつも決まっている。いわゆる噂話や陰口の類だ。
しかし、母は〈聖女様〉なので、そんな下衆な会話には積極的に参加せず、黙って聞いている。
その分他のご夫人たちが、気を利かせて母の気に入りそうな話題を、母の分まで面白おかしく喋ってくれる。それができないご夫人は、次回からお茶会に呼ばれなくなるのだ。
私はそんなお茶会に参加するのが、毎回憂鬱であった。
お茶会当日――。
次期聖女である私は、お茶会の準備と、招待客の出迎えのため、言われた通りの時間よりも早い時間に、お茶会が開かれる部屋に到着した。
部屋の扉を開けると、驚くべき光景が目に飛び込んできた。
母をはじめとする、お茶会の招待客全員がすでに着席していたのだ。しかも、部屋の様子から察するに、お茶会が始まってかなり時間が経過している。
さらに私を驚かせたのは、母の隣にカタリナが座っていたことである――いつも私が座っていたその場所に。
「そう、どうもありがとう」
母は定期的にお茶会を開催する。
お茶会に参加するのは、母と仲の良いご夫人たち。私も一応は参加するが、ただその場にいるだけだ。
お茶会の内容はいつも決まっている。いわゆる噂話や陰口の類だ。
しかし、母は〈聖女様〉なので、そんな下衆な会話には積極的に参加せず、黙って聞いている。
その分他のご夫人たちが、気を利かせて母の気に入りそうな話題を、母の分まで面白おかしく喋ってくれる。それができないご夫人は、次回からお茶会に呼ばれなくなるのだ。
私はそんなお茶会に参加するのが、毎回憂鬱であった。
お茶会当日――。
次期聖女である私は、お茶会の準備と、招待客の出迎えのため、言われた通りの時間よりも早い時間に、お茶会が開かれる部屋に到着した。
部屋の扉を開けると、驚くべき光景が目に飛び込んできた。
母をはじめとする、お茶会の招待客全員がすでに着席していたのだ。しかも、部屋の様子から察するに、お茶会が始まってかなり時間が経過している。
さらに私を驚かせたのは、母の隣にカタリナが座っていたことである――いつも私が座っていたその場所に。