今日の講義の後、母は私たちに講義している講師たちを招き、教育会議を開催した。



 教育会議の目的は、次期聖女の教育方針についての話し合いだ。



 この話し合いには、次期聖女である私も毎回出席している。ただし、母はこの教育会議にあまり熱心ではなく、滅多に開催されることはなかった。



 私は、どうして今日、母が教育会議を開催するのか不思議でならなかった。



 なぜなら、教育会議は、つい先月、開催されたばかりだったからだ。次の教育会議が開催されるのは、前回の教育会議の半年後以降というのが常だ。



 お茶会に続き、またもや嫌な予感がした。









「今日は、提出した課題についてのお話があるのでしょう?」



 母はいつになく上機嫌であった。



 前回までの教育会議において、こんなに上機嫌な、そして積極的な母は見たことがない。



「はい――」



 母に促され、一人の講師が立ち上がった。



「まずはカタリナ様の課題ですが……とても素晴らしかったです。私も長いこと、教育に携わる仕事をしておりますが、ここまで完成度の高いものはなかなかお目にかかれません」



 私は唖然としてしまった。今回出された課題は、非常に難しかった。私ですら苦労した課題なのだから、私よりも学力や知識が乏しいカタリナが、完璧に仕上げられるはずがないのだ。