「桜は私の実家へ引き渡そう。この家には用がなくなる」

「なんで、そんな…」

「桜」

「私は、本当にお父さんに何もしてもらってない!最後の最後は自分勝手で…!結局何もしてくれないじゃん!おかしいよ!頭おかしい!!」

「……」



涙のストッパーが切れたように流れ落ちる。

鼻がツンとして痛かった。

それでも私はお父さんに対して叫び続けた。



「ごめん…」

「謝るなら最初からやらないでよ…!お父さんは私のことちゃんと考えてくれたの…?」

「ごめん」



お父さんは立ち上がって私に頭を下げる。

私はもうどうしていいかわからずに顔を手で覆った。



「もう、、やだぁ………」



私の力ない声がリビングに響き渡った。

お父さんはもう何も言わない。

私の鼻を啜る音と、嗚咽だけが2人の耳に通って行った。