………夢を見たんだ。
4人家族の幸せな家庭の夢。
僕もその中の1人だった。
自身の料理店を営む両親と3個歳が離れている姉。
そして僕。
小さい頃から控えめであまり自分の意見を言わないタイプだった。
でもそんな僕を見かねてお姉ちゃんが代わりに言ってくれる。
男勝りな性格だった所もあってか、逆に男の僕が女々しくなってしまっていた。
でもそんな僕を否定する事なく両親は笑って受け入れてくれて、お姉ちゃんも「何かあったら助けるから」と言って背中を叩いてくれる。
学校の同級生からはからかわれたり、馬鹿にされたりしていたけど、守ってくれる両親と姉がいるから僕は耐えられたんだ。
ある日、両親が僕の誕生日にとびきりのご馳走を作ってくれるらしく朝から仕込みの準備をしていた。
僕はその様子をずっと見ていたかったけど、楽しみが半減するとのことで厨房を追い出される。
それじゃあ夕食まで何をしていようか。
僕は臨時休業日の料理店のホールで考えていた。
「ーー!これから私と一緒に出かけない?何か誕プレ買ってあげる」
「いいの?行く」
店の裏口から入ってきた姉が僕の所へ来るとそう誘ってくれた。
僕は嬉しくなってすぐに部屋に戻って準備をする。
高校1年生の姉とはしばらく一緒に買い物へ行けてなかったからとてもワクワクした。
少量の荷物を持ってまた家の隣にある料理店に顔を出すと、待ってくれている姉の後ろ姿が見える。
僕が声をかけると優しい笑顔で振り向いた。
「行こっか」
「うん」
「お母さん行ってくるね〜」
「遅くならないでよ?」
「はーい」
時刻は午後の13時。
夕食のために軽くした昼ごはんを食べ終えて20分くらい経った頃だ。
僕と姉は裏口から出て行って近くにあるショッピングモールへと歩いて行った。
「久しぶりだね。ーーと出かけるのは」
「僕も部活あるし、お姉ちゃんも塾があるからね」
「一応聞くけどさ。私と2人で良いの?」
「なんで?」
「だって中学生男子って反抗期入るし、姉と一緒に居るのは嫌かなって思って」
「そんなことない!例え反抗期になっても反抗するのはお母さんとお父さんだけだと思うよ」
「私が入ってないのは嬉しいけど、2人が泣くわ」
僕はお姉ちゃんの隣に立っていて何も嫌な思いなんてしない。
恥ずかしさなんてもっと無い。
むしろ嬉しさで溢れている。
きっとクラスの奴らはこんな僕をシスコンとかって言ってクスクス笑われるんだろうな。
でも大丈夫。
その時はきっとお姉ちゃんが守ってくれるから。
僕は隣を歩くお姉ちゃんを見て微笑むと、それを見たお姉ちゃんも微笑み返してくれた。
「誕プレ何が欲しいの?」
「なんだろう…」
「高いのはダメだよ?」
「わかってるよ。……んー」
「まぁ好みが無かったら後日でも良いよ。私は夕食までの時間潰しも兼ねて誘ったからね」
「うん、わかった」
「今日のご飯なんだろうね〜?期待しててなんてお母さん達言うから、期待値が余計に上がっちゃうよ」
「僕、さっき厨房みたら大きなお肉があったよ」
「あー、見たんだ。ずるいなぁ」
「だって待ちきれなかったんだもん」
「その気持ちはわかる」
お姉ちゃんはそう言って口角を上げた。
僕はさっきチラッと厨房で見たお肉を思い出す。
塊肉と言うのだろうか。
大きいお肉がドン!と皿の上に乗っていた。
きっと美味しいんだろうなと味を想像すると、僕も自然と口角が上がってしまった。
4人家族の幸せな家庭の夢。
僕もその中の1人だった。
自身の料理店を営む両親と3個歳が離れている姉。
そして僕。
小さい頃から控えめであまり自分の意見を言わないタイプだった。
でもそんな僕を見かねてお姉ちゃんが代わりに言ってくれる。
男勝りな性格だった所もあってか、逆に男の僕が女々しくなってしまっていた。
でもそんな僕を否定する事なく両親は笑って受け入れてくれて、お姉ちゃんも「何かあったら助けるから」と言って背中を叩いてくれる。
学校の同級生からはからかわれたり、馬鹿にされたりしていたけど、守ってくれる両親と姉がいるから僕は耐えられたんだ。
ある日、両親が僕の誕生日にとびきりのご馳走を作ってくれるらしく朝から仕込みの準備をしていた。
僕はその様子をずっと見ていたかったけど、楽しみが半減するとのことで厨房を追い出される。
それじゃあ夕食まで何をしていようか。
僕は臨時休業日の料理店のホールで考えていた。
「ーー!これから私と一緒に出かけない?何か誕プレ買ってあげる」
「いいの?行く」
店の裏口から入ってきた姉が僕の所へ来るとそう誘ってくれた。
僕は嬉しくなってすぐに部屋に戻って準備をする。
高校1年生の姉とはしばらく一緒に買い物へ行けてなかったからとてもワクワクした。
少量の荷物を持ってまた家の隣にある料理店に顔を出すと、待ってくれている姉の後ろ姿が見える。
僕が声をかけると優しい笑顔で振り向いた。
「行こっか」
「うん」
「お母さん行ってくるね〜」
「遅くならないでよ?」
「はーい」
時刻は午後の13時。
夕食のために軽くした昼ごはんを食べ終えて20分くらい経った頃だ。
僕と姉は裏口から出て行って近くにあるショッピングモールへと歩いて行った。
「久しぶりだね。ーーと出かけるのは」
「僕も部活あるし、お姉ちゃんも塾があるからね」
「一応聞くけどさ。私と2人で良いの?」
「なんで?」
「だって中学生男子って反抗期入るし、姉と一緒に居るのは嫌かなって思って」
「そんなことない!例え反抗期になっても反抗するのはお母さんとお父さんだけだと思うよ」
「私が入ってないのは嬉しいけど、2人が泣くわ」
僕はお姉ちゃんの隣に立っていて何も嫌な思いなんてしない。
恥ずかしさなんてもっと無い。
むしろ嬉しさで溢れている。
きっとクラスの奴らはこんな僕をシスコンとかって言ってクスクス笑われるんだろうな。
でも大丈夫。
その時はきっとお姉ちゃんが守ってくれるから。
僕は隣を歩くお姉ちゃんを見て微笑むと、それを見たお姉ちゃんも微笑み返してくれた。
「誕プレ何が欲しいの?」
「なんだろう…」
「高いのはダメだよ?」
「わかってるよ。……んー」
「まぁ好みが無かったら後日でも良いよ。私は夕食までの時間潰しも兼ねて誘ったからね」
「うん、わかった」
「今日のご飯なんだろうね〜?期待しててなんてお母さん達言うから、期待値が余計に上がっちゃうよ」
「僕、さっき厨房みたら大きなお肉があったよ」
「あー、見たんだ。ずるいなぁ」
「だって待ちきれなかったんだもん」
「その気持ちはわかる」
お姉ちゃんはそう言って口角を上げた。
僕はさっきチラッと厨房で見たお肉を思い出す。
塊肉と言うのだろうか。
大きいお肉がドン!と皿の上に乗っていた。
きっと美味しいんだろうなと味を想像すると、僕も自然と口角が上がってしまった。