「俺は難しいことはわからねー」
そうだろうね。
私は少し笑って側にあったゴミ箱にクレープの周りを巻いていた紙を捨てた。
「どうする?目的は達成されたからここで解散する?」
「俺はどっちでも」
「なら解散で」
「ドライだなー」
「どっちでもって言ったじゃん」
「はいはい。それじゃあな。また誘う時は連絡する」
「また誘われるの?」
「スイーツ仲間だからな」
「そんな仲間になった覚えはないよ」
涼と軽口を叩き合った私は立ち上がって、運動公園を出る。
まだベンチに座ってコーラを飲んでいる涼に手を振って。
自販機で買ったコーラはまだ残っているから右手に持ってちょくちょく飲みながら歩く。
スマホを確認すると12時30分。
今日のお昼はクレープで良いかなと思った。
日差しがまだ私を捉えて攻撃する。
暑いけど家に帰れば冷房を付けられる。
それまでの我慢だ。
私の頭の中ではクレープの存在や味は消えていて、涼しい空調が効いた部屋で何をしようか考えていた。
ーーーーーー
少し大きめの一軒家。
私は結構良い家に住んでいる。
これもお父さんの収入が大きいおかげだろう。
家計に関しては今のところ心配することはない。
まぁお父さんが科学者を辞めたり、犯罪行為を起こしたりしたらきっと貧乏生活が始まるはずだ。
科学者はあまり安定はしていないらしい。
これは他の仕事でも言えるが、初めての成功をしたら莫大なお金が降りてくる。
しかしそれが遠ざかればお金は去っていってしまう。
科学者みたいな人達はギャンブラーなのか。
それを職業にするのは気が進まない。
その前にお父さんは私に何かをしてくれたのかと考えてしまう。
お金以外に何もされていないのに一方的に願いを叶えるのは親子としておかしい。
授業参観も発表会も来てくれた覚えはない。
急に私はお父さんの悪口を思い浮かべながら、どうせ今も居ないんだろうなと確信して玄関を開けた。
「いるわ…」
私より大きい黒い靴。
ピカピカに磨かれているが少し小傷が付いている靴。
それが玄関に置いてあった。
何故今日に限って居るのだろう。
何かの漫画かよと突っ込みたくなる。
悪口を言っている時に限って居るなんて。
酷い時は同じ家に住んでいても1週間は顔を合わせない。
最後にあったのは4日前。
夜中トイレに行こうとしたら出会した。
でも会話は「おかえり」だけ。
なのに今日は居る。
しかもこの時間に。
不審に思いながら私は靴を脱いで多分お父さんがいるリビングへと小走りで向かった。
「ただいま」
「おかえり」
「なんで今の時間居るの?」
「今日は早く帰れたんだ」
「そっか」
リビングの扉を開けるとラフな格好で腕を捲り、何かが入っているダンボールを持ち上げるお父さんがいた。
ラフと言ってもお洒落なラフな服。
そこから見える腕は科学者らしくない筋肉がついた腕が見えていた。
お父さんは段ボールをリビングの奥にあるキッチンの冷蔵庫の横に置く。
きっとあの中身は水のはずだ。
定期便で届く物だと思う。
意外と重かったのか、お父さんは肩を回した。
「パソコンばかりの仕事だと流石に鈍るな。……桜、昼ご飯は食べたか?」
「さっき友達とクレープ食べた」
「…彼氏か?」
「友達って言ってるじゃん。確かに男の子だけどそう言うのは一切ないよ」
「そうか」
そんなに私の彼氏が気になるか。
残念ながら彼氏はいません。
でも逆にお父さんは喜ぶのかもしれない。
顔をなかなか合わせないとしても一応1人娘だから。
表情があまり変わることのないお父さんは今内心ホッとしている可能性がある。
そう思うと少し面白くなってしまう私だ。
そうだろうね。
私は少し笑って側にあったゴミ箱にクレープの周りを巻いていた紙を捨てた。
「どうする?目的は達成されたからここで解散する?」
「俺はどっちでも」
「なら解散で」
「ドライだなー」
「どっちでもって言ったじゃん」
「はいはい。それじゃあな。また誘う時は連絡する」
「また誘われるの?」
「スイーツ仲間だからな」
「そんな仲間になった覚えはないよ」
涼と軽口を叩き合った私は立ち上がって、運動公園を出る。
まだベンチに座ってコーラを飲んでいる涼に手を振って。
自販機で買ったコーラはまだ残っているから右手に持ってちょくちょく飲みながら歩く。
スマホを確認すると12時30分。
今日のお昼はクレープで良いかなと思った。
日差しがまだ私を捉えて攻撃する。
暑いけど家に帰れば冷房を付けられる。
それまでの我慢だ。
私の頭の中ではクレープの存在や味は消えていて、涼しい空調が効いた部屋で何をしようか考えていた。
ーーーーーー
少し大きめの一軒家。
私は結構良い家に住んでいる。
これもお父さんの収入が大きいおかげだろう。
家計に関しては今のところ心配することはない。
まぁお父さんが科学者を辞めたり、犯罪行為を起こしたりしたらきっと貧乏生活が始まるはずだ。
科学者はあまり安定はしていないらしい。
これは他の仕事でも言えるが、初めての成功をしたら莫大なお金が降りてくる。
しかしそれが遠ざかればお金は去っていってしまう。
科学者みたいな人達はギャンブラーなのか。
それを職業にするのは気が進まない。
その前にお父さんは私に何かをしてくれたのかと考えてしまう。
お金以外に何もされていないのに一方的に願いを叶えるのは親子としておかしい。
授業参観も発表会も来てくれた覚えはない。
急に私はお父さんの悪口を思い浮かべながら、どうせ今も居ないんだろうなと確信して玄関を開けた。
「いるわ…」
私より大きい黒い靴。
ピカピカに磨かれているが少し小傷が付いている靴。
それが玄関に置いてあった。
何故今日に限って居るのだろう。
何かの漫画かよと突っ込みたくなる。
悪口を言っている時に限って居るなんて。
酷い時は同じ家に住んでいても1週間は顔を合わせない。
最後にあったのは4日前。
夜中トイレに行こうとしたら出会した。
でも会話は「おかえり」だけ。
なのに今日は居る。
しかもこの時間に。
不審に思いながら私は靴を脱いで多分お父さんがいるリビングへと小走りで向かった。
「ただいま」
「おかえり」
「なんで今の時間居るの?」
「今日は早く帰れたんだ」
「そっか」
リビングの扉を開けるとラフな格好で腕を捲り、何かが入っているダンボールを持ち上げるお父さんがいた。
ラフと言ってもお洒落なラフな服。
そこから見える腕は科学者らしくない筋肉がついた腕が見えていた。
お父さんは段ボールをリビングの奥にあるキッチンの冷蔵庫の横に置く。
きっとあの中身は水のはずだ。
定期便で届く物だと思う。
意外と重かったのか、お父さんは肩を回した。
「パソコンばかりの仕事だと流石に鈍るな。……桜、昼ご飯は食べたか?」
「さっき友達とクレープ食べた」
「…彼氏か?」
「友達って言ってるじゃん。確かに男の子だけどそう言うのは一切ないよ」
「そうか」
そんなに私の彼氏が気になるか。
残念ながら彼氏はいません。
でも逆にお父さんは喜ぶのかもしれない。
顔をなかなか合わせないとしても一応1人娘だから。
表情があまり変わることのないお父さんは今内心ホッとしている可能性がある。
そう思うと少し面白くなってしまう私だ。