「バナナチョコクレープを2個お願いします」
暑い中、運動公園の移動販売車に辿り着くと同時に涼は真っ先にクレープを頼みに行ってくれた。
事前に何を食べるか打ち合わせしていたので迷う事無く頼んでくれる。
店員さんが作ってくれている間、私は公園内の自販機を探して自分と涼の分のコーラを買う。
道中、クレープは奢るの一点張りだった涼。
確かに誘って連れてきたのは涼だけど、自分の分くらいはちゃんと払える。
それでも譲らなかった涼が私に言ったのはジュースを奢っての事だった。
断然クレープの方が値段は高い。
それでも私には高い方を買わせないのは意外とレディーファーストなのかなと思ってしまった。
「桜、ほい」
自販機から販売車の所に着くと出来立てのクレープを2個持って待っている涼の姿があった。
私はクレープとコーラを交換して2人で近くのベンチに座る。
「いただきまーす」
「美味そう〜」
食べると甘い味が口の中に広がった。
ご飯系のクレープもあるらしいけど、やはり私的にはデザート系が好き。
隣に座る涼も頬張って食べていた。
中学の時から涼は甘い物が好きでよく周りの友達にギャップだねなんて言われていた事もある。
本人曰く糖尿病になっても後悔しないらしい。
私には理解出来ない考え方だけど、そこは人それぞれだ。
そう思いながらまたクレープを食べ進めた。
「なぁなぁ」
「んー?」
「このクレープの名称はバナナチョコなんだよ」
「ん…。チョコバナナじゃなくて?」
「ははっ、やっぱりそう思うよな」
いつの間にかもう食べ終わってコーラを片手に飲んでいる涼は私に話しかけてきた。
やっぱり男の子だからか食べるのが速い。
私が食べるスピードを速くすると「ゆっくりでいいよ」と返ってきた。
「話変わるけどさ、高校生の夏休みって意外と青春謳歌出来ないと思わね?」
「確かに」
「だって休みに入れば課題とか部活とかで忙しくなるだろ?3年になれば受験関係でもっと大変だろうし。青春っていつ来るんだろうな〜」
涼が頭を掻いて悩んでるように私に話す。
本当に話変わったな。
それでも涼でさえそういう風に感じるんだと内心思ってしまった。
私は最後の1口を食べて置いてあったコーラで流す。
「涼みたいなタイプは常に青春でしょ」
「全く。部活勉強部活勉強で恋愛なんて一切ない」
「それは私も同じだよ」
「でもお前は頭良いから勉強部分では苦労しないだろ?」
「部活では苦労してるみたいな言い方しないでよ。私は今は進路について頭悩ませてるの」
「社長令嬢は比較的楽だろ」
「そう思っているのはガキよ、ガキ。確かにお父さんは私に色々言って来るけどさ。でも私はなんか納得いかないんだよね」
「なんでよ」
「わかんない。それに実際お父さん達が何しているのかもよく聞かされてないし」
私は唇を尖らせながら涼に話した。
私のお父さんは有名な科学者で会社を設立している。
しかし知っているのはそれだけだ。
どんな物を開発しているのか。
どんな作業をするのか。
全く教えてくれない。
私にはお母さんがいないからお父さん以外に情報を手に入れることは出来ないのだ。
私は雲が少ししかない空を見上げて呟いた。
「科学者ってなんなんだろうね」
暑い中、運動公園の移動販売車に辿り着くと同時に涼は真っ先にクレープを頼みに行ってくれた。
事前に何を食べるか打ち合わせしていたので迷う事無く頼んでくれる。
店員さんが作ってくれている間、私は公園内の自販機を探して自分と涼の分のコーラを買う。
道中、クレープは奢るの一点張りだった涼。
確かに誘って連れてきたのは涼だけど、自分の分くらいはちゃんと払える。
それでも譲らなかった涼が私に言ったのはジュースを奢っての事だった。
断然クレープの方が値段は高い。
それでも私には高い方を買わせないのは意外とレディーファーストなのかなと思ってしまった。
「桜、ほい」
自販機から販売車の所に着くと出来立てのクレープを2個持って待っている涼の姿があった。
私はクレープとコーラを交換して2人で近くのベンチに座る。
「いただきまーす」
「美味そう〜」
食べると甘い味が口の中に広がった。
ご飯系のクレープもあるらしいけど、やはり私的にはデザート系が好き。
隣に座る涼も頬張って食べていた。
中学の時から涼は甘い物が好きでよく周りの友達にギャップだねなんて言われていた事もある。
本人曰く糖尿病になっても後悔しないらしい。
私には理解出来ない考え方だけど、そこは人それぞれだ。
そう思いながらまたクレープを食べ進めた。
「なぁなぁ」
「んー?」
「このクレープの名称はバナナチョコなんだよ」
「ん…。チョコバナナじゃなくて?」
「ははっ、やっぱりそう思うよな」
いつの間にかもう食べ終わってコーラを片手に飲んでいる涼は私に話しかけてきた。
やっぱり男の子だからか食べるのが速い。
私が食べるスピードを速くすると「ゆっくりでいいよ」と返ってきた。
「話変わるけどさ、高校生の夏休みって意外と青春謳歌出来ないと思わね?」
「確かに」
「だって休みに入れば課題とか部活とかで忙しくなるだろ?3年になれば受験関係でもっと大変だろうし。青春っていつ来るんだろうな〜」
涼が頭を掻いて悩んでるように私に話す。
本当に話変わったな。
それでも涼でさえそういう風に感じるんだと内心思ってしまった。
私は最後の1口を食べて置いてあったコーラで流す。
「涼みたいなタイプは常に青春でしょ」
「全く。部活勉強部活勉強で恋愛なんて一切ない」
「それは私も同じだよ」
「でもお前は頭良いから勉強部分では苦労しないだろ?」
「部活では苦労してるみたいな言い方しないでよ。私は今は進路について頭悩ませてるの」
「社長令嬢は比較的楽だろ」
「そう思っているのはガキよ、ガキ。確かにお父さんは私に色々言って来るけどさ。でも私はなんか納得いかないんだよね」
「なんでよ」
「わかんない。それに実際お父さん達が何しているのかもよく聞かされてないし」
私は唇を尖らせながら涼に話した。
私のお父さんは有名な科学者で会社を設立している。
しかし知っているのはそれだけだ。
どんな物を開発しているのか。
どんな作業をするのか。
全く教えてくれない。
私にはお母さんがいないからお父さん以外に情報を手に入れることは出来ないのだ。
私は雲が少ししかない空を見上げて呟いた。
「科学者ってなんなんだろうね」