ありきたりな日常。いつもと変わらない日常。
 それは手にある時には気づくことのできない奇跡の連続で、今という時間は更新され続ける奇跡の最先端に位置するものだ。
 それゆえに気づかない。
 だから当たり前を思わせる、日常なんて言葉を使ってしまう。奇跡であることに気づくことのできる人間は、それを失った人間のみだ。

 やがて、私は絶望した。