「さっ、早く食べようぜ。
 腹減ってるだろ」


 空澄(あすみ)はそう言って。
 座った、椅子に。


「ほら、彩珠(あじゅ)


 空澄の気遣いと優しさ。


 ものすごく。
 している、感謝を。

 それから。
 思っている、ものすごく嬉しいと。



 だけど。
 それと同時に。
 思っている。
 申し訳ない、と。


「本当に何から何まで……」


「何言ってるの、
 早く座って」


 空澄の全ての言葉に。
 込められている、気遣いが。


「ありがとう」


 空澄に感謝をしながら。
 座った、椅子に。


「それじゃあ、彩珠も座ったところで、
 いただきます」


「いただきます」


 空澄の『いただきます』。
 その挨拶に続く、私も。







 そうして。
 頂く、感謝を込めて。





 最初に目に入ったのは。
 ハムエッグ。

 ハムも玉子も。
 焼けている、良い感じに。



 それでは。
 まずはハムエッグを。


 そう思い。
 一口サイズにして。
 運ぼうとした、口に。

 だけど。
 その動きは。
 止まる、口元のところで。