それから少しして。
 受け取った、着替えを。
 お母さんから。





 お母さんが公園(ここ)を出て。
 戻ってきた、木の陰に隠れていた空澄(あすみ)が。

 そのとき。
 言ってくれた、空澄は。
「優しそうなお母さんだな」と。



 褒めてくれた、空澄が。
 お母さんのことを。


 そのことが。
 ものすごく嬉しくて。

 言った、私も。
 お母さんのことを。
「うん。優しいよ」と。


「じゃあ、そろそろ行こうか」


 なぜだろう。



 空澄にそう言われて。

「うん」

 している、素直に返事を。


 いた、そんな自分が。