強い、眠気が。

 だから。
 顔は下を向いていて。
 見えていない、相手の顔は。



 だけど。
 わかる、はっきりと。

 誰なのか。
 声の正体は。


 そう思いながら。
 上げる、顔を。


「……空澄(あすみ)……」


 やっぱり。

 声の正体。
 それは空澄だった。