「いいな、空って」
歩いている、ゆっくりと。
空澄と二人で。
そんなとき。
そう言った、空澄が。
空を見上げながら。
「空の表情を見るの、
ほんと好き」
言った、空澄は。
『空の表情』と。
「人もさ、いろいろな表情があるだろ。
それと同じで空にも表情があると思うんだ」
今の空澄。
追いかけている、純粋に好きなものを。
している、そんな子供のような表情を。
「晴れ、曇り、雨、雪、
どんな天気でも、
そのときによって微妙に違う」
そのあとも。
しばらく空澄の話は続き。
聞いているうちに。
湧いてきた、興味が。
見る、空の表情を。
そのことに。