この青く澄んだ世界は希望の酸素で満ちている




 三番目に話を始めたのは鈴森くん。


















 鈴森くんは。
 なってしまった、限界に。












 その原因は。
 鈴森くんと一緒に行動しているクラスメートの男子三人。
 彼らが鈴森くんに何度も『ジュース代』と言って、お金を借り。
 そのお金を返していない、一度も。


 それでも。
 鈴森くんは。
 できない、言うことが。
『ジュース代、返して』
 そのことを男子三人に。

 それを言ったら。
 離れていってしまうのではないか。
 男子三人は鈴森くんから。










 そう思ってしまう。
 それには理由がある。

 それは。
 トラウマがあるから。
 中学生の頃の。



 中学一年生の頃。
 鈴森くんはイジメにあっていた。

 それは。
 辛くて苦しい。


 そのときに。
 思った、恐ろしいと。
 孤独というのは。







 高校生になった今。
 貸したお金が返ってこなくても。
 孤独ではない。
 だから我慢するしかない。

 そうすれば。
 孤独にならなくてすむ。


 心の中に言い聞かせ。
 耐えた、必死に。





 だけど。
 訪れる、限界は。



 そうして。
 とうとう学校を休むようになってしまった。


 学校を休んだ初日。
 見た、鈴森くんは。
『心が呼吸できる世界』
 そこに繋がる真っ白な光の出入り口を。















 鈴森くんは話を終え。
「僕の話は以上です」
 そう言った。


 そんな鈴森くんのブレスレット。

 している、やっぱり。
 真っ赤な色を。