「ミステリアス……
 まぁ、それが、かっこよかったりするんだけどな」


 神倉さんはそう言って。
 デザートの抹茶アイスをパクっと食べた。


「そうだね。
 惺月(しずく)さん、かっこよくて素敵だよね」


 そう言っている、佐穂さんも。


 確かに。
 惺月さんは、すごく素敵で憧れる。


「だよな。
 あとさ、謎といえば」


 再び神倉さん。


『心が呼吸できる世界』(ここ)だよな」


 神倉さんはそう言い。
 最後の一口になった抹茶アイスを食べ終え。
「ごちそうさま」
 そう言った。


『心が呼吸できる世界』(ここ)は、たぶん、
 いや、確実に現実の世界じゃないよな。
 惺月さんも私らが実際に生活しているところを
『現実の世界』って言ってるしな」


 神倉さんが言う通り。
『心が呼吸できる世界』(ここ)は。
 違う、現実の世界とは。
 そう思う。


「だけど、
『心が呼吸できる世界』(ここ)があるおかげで
 救われていることがたくさんあるからな」


 神倉さんの言葉に。
 頷いた、大きく。
 那覇や佐穂さんや鈴森くんが。



 私も。
 同じ気持ち、神倉さんたちと。


『心が呼吸できる世界』
 来るのは、今日が初めて。

 だけど。
 救われている、すでに。
 たくさんある、そういうところが。





『心が呼吸できる世界』と惺月さん。
 感謝している、ものすごく。