「この部屋に入る前に
また説明させてね」
惺月さん。
している、少しだけ真剣な表情を。
「『心が呼吸できる世界』と現実の世界が繋がっているのは
現実の世界が夜のときだけなの」
えっ。
「だから、
現実の世界が日中のときは
現実の世界で過ごさないといけないの」
そういう、ことか。
できないんだ、ずっと。
居続けること。
『心が呼吸できる世界』に。
知った、そのことを。
そうしたら。
落ち込んだ、少しだけ。
「あの、訊いてもいいですか」
だけど。
それと同時に。
ある、気になることも。
「ええ、いいわよ」
だから。
「現実の世界が日中のときに
『心が呼吸できる世界』に残っていたら
どうなってしまうのでしょうか」
訊いてみることにした。
勇気を出して。