「彩珠ちゃんに訊きたいことがあるんだけど、
彩珠ちゃんは高校生くらいかな」
向かっている、部屋に。
そのとき。
訊かれた、惺月さんに。
「はい。
高校一年生です」
「高校一年生、
それなら空澄くんと同じ部屋になるわね」
那覇と同じ部屋。
知っている人と同じ部屋。
それは。
安心する、とても。
「部屋には同じ学年の人たちが入ることになるの。
一部屋の定員は五人まで」
なるほど。
「空澄くんがいる部屋は四人いるから、
彩珠ちゃんが入れば五人になるわね」
那覇以外の三人は知らない人たち。
どんな人たちだろう。
「三人とも良い奴だから安心しろ」
緊張している。
そのことに気付いたのか。
那覇がサラッとそう言った。
那覇の言葉を聞いたら。
少しずつ緊張が和らいできた。