「確か那覇くんといったかな。
 君は必ず来ると思っていた。
 だから見張らせてもらったよ」


 なんだろう。

 この感じ、お父さんの。


 余裕、があるというのか。

 なんというか……。


「全てお見通しということだったんですね」


 想定していたのだろうか。
 空澄(あすみ)は。

 特に慌てることもなく。
 見ている、冷静な様子で。
 お父さんのことを。


「君の考えていることなんて簡単に見抜くことができる。
 ただ四人で来るとは思わなかったがな。
 しかし、どうやって彩珠(あじゅ)を君たちのところまで連れ出したんだ」


 思っている、不思議に。
 お父さんは。


 まぁ、別にいい。

 そう思わせておけば。