「着いた」


 掴まれたまま、那覇に腕を。

 そのことで。
 考えていた、どうしようかと。


 そんなとき。
 足を止めた、那覇が。





 目の前には。
 二階建ての小さめの建物が。



 建物の雰囲気。


 外観は。
 淡いレンガのような色。

 とても落ち着いた色で。
 よく馴染んでいる、周りの美しい自然と。


「よし、入ろう」


 じっと見つめている、建物を。

 そのとき。
 那覇は私の腕を引きながら数歩進み。
 連れていく、建物のドアの目の前に。


 そして。
 那覇がドアを開けると———。