「次に、このビー玉の説明をするわね。
これは、手に乗せた後、
こういうふうに使いたい、
そう思い描くと、
その形になって必ず役に立つと思うわ。
役目を終えたら蝶々と同じで元に戻るの」
ガラスでできたようなビー玉。
それは、そういう役目をしてくれるのか。
そうなんだ。
せっかく。
導いてくれる、蝶々が。
彩珠の部屋に。
そうしてくれても。
救い出す、彩珠のことを。
その手段がない。
彩珠の部屋が一階。
それなら。
声をかける、窓越しから。
できるかもしれない、そうすることが。
だけど。
彩珠の部屋が二階。
そうだとすれば。
声をかける、窓越しから。
それは無理に等しい。
だから。
想定しなければならない。
そのときのことを。
このビー玉が思い描くことに反応し。
なってくれる、そうなってほしい形に。
それなら。
なんとかなると思う。
彩珠の部屋が二階でも。
思い描く、俺は。
このビー玉に。
『階段になってほしい』と。
そうしたら。
できる、彩珠は。
二階から下りてくることが。