空澄(あすみ)と凪紗。
 二人のやりとり。

 それを見ながら思い出していた。


 見に行った、夕焼けを。
 空澄と一緒に。
 そのことを。












 きれいだった、ものすごく。

 あまりにも美しくて。
 感動した、とても。


『なんて美しい空なの』
 出てくる、自然に。
 その言葉が。










『この空を彩珠(あじゅ)と一緒に見たかった』







『私と一緒に』

 そう言ってくれた、空澄が。


 そのことが。
 照れくさい、なんだか。

 だけど。
 とても嬉しくて。





『ありがとう。
 すごく嬉しい』


 だから。

 そう言った、空澄に。



 そのことが。
 照れくさい、少しだけ。

 それでも。
 伝えたかった、どうしても。
 空澄に。