「2つの心……?」

「そう。良い心と悪い心。こんな事しちゃダメだーって自分と、これくらいどうって事ないでしょって自分」


男子たちの悪行を止めようとした自分と、でもちょっとだけ神谷の秘密知りたいって思った自分。


「まぁ……ね。確かに」

「だからある意味普通なんじゃない?っていうかどうしたの。あんた心理学にでも興味あんの?」

「な、ないない。そんな難しい事わかんないし」

「だよねーあんたバカだしね」

「…………」

「ま、バカなんだから精々人に騙されないようにね」

「…………」


え。
もしかしてあたし、神谷に騙されてんだろうか。