用件すら聞かずに、バタンとドアを閉めてしまった。


一体、どこまで感じ悪けりゃ気が済むんだろう!
せっかくの華の(かんばせ)が泣くっての!


「あ……の、これ!修学旅行の申し込み用紙!ドアポストに入れとくから明日までに書いて出して!明日も休むようだったら、朝一応ここに寄るから、このドアポストにでも挟んでおいて!」


それなりの声で叫びはしたものの、当然の如く中から返事はない。


何だってあたしがこんな目に……。


イケメン……特に好きじゃなかったとはいえ、これじゃむしろ恐怖症になりそうだ。


「ありがとう、くらい言いなさいよね……」


小さく呟いたあたしは、1人虚しく帰路に付いた。