「だってさぁ、セーラの席で溜まろうもんなら隣の神谷に叱られそうじゃん」


そんな事を言い出す子すらいて、休み時間になるとあたしはポツンと独りだった。
いや、隣の神谷もそうだったから2人でポツンだった。


神谷の性格が悪い所為で、何故あたしまでがポツンとならなきゃいけないのか。
こういうのを2次被害って言うんじゃないだろうか。


あぁまた神谷への文句が1つ増えた。


いつそれをぶちまけられるチャンスは訪れるんだろう―――


「―――おいセーラ。お前、神谷ん家の隣だよな?届け物頼むわ」


それは、帰りのHRであたしに向けられた担任の言葉。


「ちょ……待って先生!かろうじて席は隣かもだけど家は違うよ!あたしと神谷には約2分の距離が―――」