“すっげェ怒ってるから楽しみだなぁ”


コーキがそんな事言うもんだから、週明けはかなり緊張してた。
あたしに怒ってるワケじゃないとは言われたものの、それでも安心は出来なかった。


だけど神谷の態度は、今までと全く変わらなかった。


あまりにも変わらなすぎて、やっぱり騙されてるんじゃないかと思ったほどだ。


神谷はいつものようにケルベロスに激しく吠えまくられながら登校し、教室ではほぼ寝て過ごす。
昼休みにはフラリと姿を消し、午後の予鈴と共に帰って来る。
そしてまた、ケルベロスに吠えまくられながら下校する。


そんな毎日を過ごしてるうちに、ホントにコーキという存在がいたのかすらわからなくなって来てた。
やっぱりあれは夢だったんじゃないかとすら思うようになってた。


まぁ……正直なとこ、騙されてようが夢だろうが、あたしの生活には何の支障もない。