〜 Side 有真 〜

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 週明けの月曜日。

「……」

 昼休みの教室で、僕は窓の外に目を向ける。今日はあいにくの雨だった。先週の台風一過の晴天はどこへやら。金曜日の帰り頃からずっとジメジメとした雨が降りしきっている。

「有真。飯にしよーぜ」
「あぁ、うん」

 黄昏ているといつも通り翔からの声がかかる。窓の外を見つめながら生返事をした。

「先週の後半はお前とお昼食べてなかったからなんか久々な感じするな」
「言われてみればたしかに」
「発足前から不知火さんといたもんな?」
「そうだね」

 その名前を聞き、隣の席へと目線を向ける。いつもならば興味無さそうに座って独りでご飯を食べる不知火さんの姿がある。
 しかし今日はその姿を見受けられなかった。

「不知火さん、風邪だって?」
「そうみたいだね」

 無事に部活動の申請が通り、また先週と同様に部室でピィちゃんのお世話ができるようになった。
 そんな発足後初めての月曜日の今日、彼女は学校を休んでいた。なんでも夏風邪を引いてしまったらしい。

「寂しいのか?」
「えっ!?」
「いや、有真が暗い顔してるから」
「寂しいとかではないけど」

 まるで意識してるみたいじゃないか。してないといえば嘘だけどさ。ところどころ可愛いと思う時もあるし。
 でも今の感情はそうじゃない。

「…罪悪感かな?」
「罪悪感?」

 夏風邪を引いてしまった件に関しては、多少の心当たりがあった。もし夏風邪を拗らせていた場合、その原因は僕にも一端があるかもしれない。

「実はいろいろあって先週、彼女に水を頭からかけちゃって。それで風邪ひいちゃったのかもと思ってて」
「どういう状況だよ」
「い、いや、ほんとわざとじゃなくて!不慮の事故というかなんというか」
「有真にわざとやる勇気がないのは知ってる。でもそれは確かに罪悪感だわ」

 彼女の秘密を知った時の出来事。体から噴き出した炎を止めるために水を思い切りかけてしまったことを思い出す。その後に続いた雨で体を壊してしまい、挙句に拗らせていてもなんら不思議ではない。